春日神社 ■かすがじんじゃ
■鎮座地:葛城市大畑149番地
■神社東側の遥拝所付近に「太神宮 明和七庚寅年(1770)正月吉日」との石灯籠がある。今から230年前に建立された葛城市で最古の太神宮。

■葛城市に残る古い町並みを歩くと、道端や辻、神社の境内などに、「太神宮」または「大神宮」と深く刻まれた大きな石灯籠をみかけます。市内に五十数基建てられているこの「太神宮さん」の中でも、一番古いものが大畑の春日神社境内にある石灯籠です。大畑では毎年夏に「だいじんぐうさんのお祭り」が行われています。

■7月16日、太神宮さんのお祭りが例年通り行われました。通り雨の後、午後8時ごろ、大畑集落センター前の広場に村の老若男女が集まりました。車付きの台座にのせた太鼓と鉦を子どもたちが打ち鳴らすのに続いて、三段に組んだ十二振りの提灯に灯が入りました。提灯を先頭に鉦、太鼓、村人が神社に向かい、約10分で到着です。
「私らの若い頃は、伊勢音頭を唄いながら景気良く練ったもんやけど、今は唄えるもんもおりませんわ」と、区長の庄田さんは言います。
下市街道筋の集落として、その昔は大きく賑わった様子がしのばれる神事。今は村人の交流行事として、ささやかに受け継がれています。
 

春日神社境内の太神宮。明和七年」の銘がある
 
7時ごろまで畑仕事に精を出し、身支度を整えてからの出発なので、開始は自然、遅くなる。8時過ぎ、提灯は神社に到着 神社に提灯を立てかけ、子どもたちにはお菓子、大人にはお神酒がふるまわれる。しばし歓談の時
民家の角にある道しるべ。「右よしの 左つぼさか」とある 旧街道の角に大峯山の常夜灯がたたずむ。これにも「明和七年」の銘が 常夜灯、太神宮、道しるべ。街道を行きかう人々の往時の面影を残す三叉路


 

■さて、春日神社のそばに「一本松」と呼ばれる伝説の塚があります。どこにあるのかと探してみると、残された塚の中央に無残に折れた松の株が・・・。土地の持ち主の北野さんにお話をうかがうと、「平成8年の台風になぎ倒されて、ねじれたように折れてしまっていた」とのこと。
「それは形のいい、美しい松でしてん。写真に残しておればよかったと、見るたびに思います」と、本当に残念そうにその残骸を見つめていました。こうして、古いいわれのあるものが形を変えてしまうと、それにまつわる伝説そのものの継承も難しくなります。故郷に伝わる美しい昔話だけでも、私たちは忘れないようにしたいものです。
 

大畑の一本松 ■大畑集落センター掲示板より「一本松・・・昔、この地には多くの鶴が飛来していましたが、ある日、その中の一羽の鶴が取り残されて死んでしまいました。それを見つけた尼寺の人が、この鶴を弔うために植えた松であると言い伝えられています」