置恩寺の薬師お会式(置恩寺) 4月下旬の日曜日

午後1時から本堂にて當麻寺の僧侶らと村民による法会が営まれます。力強い読経が唱えられるなか、一斉に転読(てんどく)が繰り広げられるさまは大変興味深いものです。以前は4月23日に催行されていましたが、現在ではその日の直前の日曜日に催行されています。
午後2時には前日から丸一日かけて用意された一石ほどのお餅が一斉にまかれます。また、この日には特別に重要文化財の十一面観音像も開帳されます。お会式が終われば初夏、農作業が本格的に忙しくなる季節となるため、農村の生活の節目が一つの行事の形をとって今に残る、素朴なお祭りとなっています。
 

 

 


置恩寺

■ちおんじ
■住所:葛城市寺口706-1
■本尊:薬師如来坐像
■正式には医王山・布施山安養院置恩寺と号し、高野山真言宗。寺伝には行基の開基とあるが、中世には布施寺とも称されたように、布施氏の氏寺として、栄枯盛衰を共にした。

■4月23日、葛城市寺口の置恩寺で、薬師お会式が行われました。
■古くから続くこの会式を、土地の人たちは「山登り」と言い、かつては遠方の親族も帰郷し、裏山(薬師山)の三宝池まで登り、そこでごちそうを食べたり歌をうたったり、たいそうにぎやかだったそうです。當麻の「岳のぼり」と同じく、春事(春の行事)として欠かせないものだったようです。が、昭和40年代ごろからこの風習もなくなり、今は家庭でごちそうを食べるようになったとか。


ご本尊の薬師如来坐像

僧侶による転読(てんどく)

各種団体の役員も一斉に転読を行う

僧侶も御供まきに参加

せまい境内が村の人でいっぱいに

後ろに見えるのが薬師山

■午後2時、前日から丸一日かけて用意された一石ほどのお餅が一斉にまかれ、わずか5分ほどでなくなってしまいました。この日は特別に重要文化財の十一面観音像も開帳され、村の人たちは順に拝んで帰っていきました。お会式が終われば初夏、農作業が本格的に忙しくなる季節となります。農村の生活の節目が一つの行事の形をとって今に残る、素朴なお祭りを楽しませてもらいました。
 

十一面観音立像 ■十一面観音立像:檜一木造り。眉のわん曲が大きく、鼻筋が細く、微笑をたたえた顔立ちが優しく上品です。重心を少し左足にのせ、右足の力をぬいて立つプロポーションは、均整がとれた美しいものです。11世紀初め~中ごろに作られたものと推定されています。国指定重要文化財。