八幡神社 ■はちまんじんじゃ
■鎮座地:葛城市木戸219番地
■祭神:誉田別命命
■木戸の中央から西よりの平坦地に、南に面して鎮座する。本殿の屋根は現在銅版葺だが、棟札には桧皮葺だったと記されている。「・・・昭和三十二年落成」とある。本社の祭典は、毎年土用の入りと寒の入りの日。

■7月23日、葛城市木戸の八幡神社において、日の出を待つという日待祭り「天道御供(てんとうこく)」の行事が行われます。宮講の人たちが前夜から神社拝殿にこもり、社頭を飾り、拝殿内で東に向かって祈りを捧げるというもの。このときに供えられるのが、小豆に塩だけを入れて作った餡(あん)をつけた「塩餡つけ餅」です。
天道御供前日の22日、本年の頭屋に当たる吉井さんのお宅にお邪魔して、塩餅やその他のお供えを準備する様子を見せてもらいました。
 

あんを炊いてつぶし塩のみを混ぜてこねる   あんをまぶした塩餅を手際よく並べていく      麹蓋(コウジュウタ)にびっしり並べて神前に供える
あんを炊いてつぶし塩のみを混ぜてこねる。塩を混ぜると腐敗を防げるという昔の人の知恵か   抗菌作用のあるバランを敷いた上に、あんをまぶした塩餅を手際よく並べていく   麹蓋(コウジュウタ)にびっしり並べて神前に供える。この日使ったもち米は8升、餅の数は600個前後


 

■明けて23日の早朝3時30分。神社の境内にバイク2台が運ばれ、後方に石油の一斗缶が2個ずつ紐でくくりつけられます。いったい何が始まるのか・・・。「4時やで、そろそろ行こう」の合図でバイクが発進。ガランガラン、ガンガンガン・・・!闇に響き渡る騒音を鳴らして、なんとバイクは木戸の村中を駆け巡ります。これが天道御供の祭典の始まりを知らせる儀式というのだから驚きです。約30分間走り回って、在郷の人たちの目を覚ました後、神聖な祭典が始まります。

■4時30分、吉川宮司(長尾神社)による祝詞が奉納され、講中の人々が日の出の方角に向かって祈りを捧げます。先程の騒動とはうってかわって厳粛な雰囲気。やがて5時前、うっすらと空が明るくなるころ村の人たちがぼつぼつ集まり始めます。祭典を終えた講の人たちの手で、お供えの塩餅が参拝者に配られます。これを食べると夏負けしないという言い習わしもあり、木戸の人たちのほとんどが集まることになっているそうです。

 

美しく装飾を凝らした供物   石油缶をひもでくくりつける   ガランガランガラン・・・みな、起きやー、天道御供が始まるでー
美しく装飾を凝らした供物   石油缶をひもでくくりつける   ガランガランガラン・・・みな、起きやー、天道御供が始まるでー
拝殿では東に向かって祈りが捧げられる   「木戸の里を守りたまえ・・・」この言葉で祝詞が締めくくられる   容器を持って参拝にきた村の人たちに、家族分の塩餅が配られる
拝殿では東に向かって祈りが捧げられる   「木戸の里を守りたまえ・・・」この言葉で祝詞が締めくくられる   容器を持って参拝にきた村の人たちに、家族分の塩餅が配られる

■儀式は大正12年、八幡宮宮講10余名が神社の修繕を目的として始めたのが起こりとか。当時の神社の帳面を見ると、儀式名は「天當御供」となっています。「途中講の人数が減ったり休んだりしたが、何とか続いてきた。今は5軒で頭屋を回しているような状態だが、伝統行事は守っていきたい」と、長老の森岡さんは言います。他に類を見ない特色のある行事、がんばって継承していってほしいものです。