この調査は、奈良大学の小泉秦一教授 の依頼を受け、下記の趣旨市内で実施し、結果をまとめました。
私たちの祖先が大自然と向き合いながら、いろいろ「工夫」し米づくり・野菜づくり・果樹栽培を続けてきました。そこには自然に逆らわない農業の「生活の知恵」があったように思えてなりません。
「ネギ種に宿かすな」という言葉を聞き、ネギ坊主の種が黒くなればその場で揉みほぐして蒔き、ネギ苗をつくってきました。
これらはまさに私たちの祖先が何百年もの間、連綿と続けてきた農業上の知恵ではないでしょうか。
私たちの祖先が伝え続けてきた こうした知恵・文化を何らかの形で残しておきたいと思い調査し、まとめてみました。

 

 

 

 

 

 

用語

用語
格言 意味
苗振(さなぶり) 田植えの後、村中で農休日を決めて休む
半夏生(はんげっしょう) 田植え後、7月2日に祭りを行った。池に魚をいれて魚釣り、餅つきなど
はっさく 9月1日からは昼寝をしないで農業に従事する
鎌止め 一人が稲刈ると周りが刈り出すので、稲刈りの開始日を村で決める
土曜の明け田

水田の土用干しが終わる頃、季節も土用から立秋へと移る。この頃稲作は幼穂形成期にはいる。この時期に稲の葉がやや赤みを帯びてくると、無効分けつけがなく粒数の多い穂が出そろう。土用が終わる(明ける)と、稲が朱け(黄色)るとを重ね合わせた言葉

 

栽培 

格言 意味
桃の花盛りに西瓜蒔け スイカをまく時期
北枕の茄子は、あかん 北枕に茄子を植えてはいけない
ふたとこ茄子は、あかん 田の2ヶ所に茄子を植えると生育がわるい
月夜の晩に、小芋に肥料やったらよく太る 小芋の育て方
ネギダネに、一夜の宿かすな ネギ種は、取って直ぐに播くと発芽がよい
夏百日、雲行きかまわん 夏の100日間はどんな天気でも農作物の生育に影響はない
ワケギは盆の太鼓の音が聞こえたら植えよ ワケギは盆踊りの音が聞こえてくるときに定植すればよい
彼岸かいわれ 冬物、漬物用の大根はこの時期にかいわれになるように種をまくと良よい
桃栗3年、柿8年、梅は酸いとて13年。柚は9年で花盛り、枇杷は9年でなりかねる 芽がでで実を結ぶまで、桃と栗は3年、柿は8年の歳月がかかる。何事であれ結果が出るまでには、それだけの歳月がかかるということ
八十八夜土の中 里芋は5月2日には植えておかなければいけないということ
エンドウは紅葉に播く エンドウ豆をまく時期
麦は肥でとれ、米は地力でとれ 麦は肥料に比例して収穫量は増える、しかし米は肥料の量でなく日頃の土づくりが大切である
梅にシソ 梅が咲いたらシソを播くとよい
茄子作るのに手ぶらで行くな 茄子づくりには肥料が沢山必要
スイカ肥料10倍 スイカづくりには肥料が沢山必要

 

その他 

  意味
大和豊年、米食わず 水に困っている奈良県が豊作の年は、雨が多い証拠。他県では水害で米が少ない
水菜漬けたら、不治いく 水菜を漬け物にすると不治災難が起きる
秋ナスビ嫁(ネズミ)に食わすな 秋茄子は美味しいので、ネズミに食べられる前に食べるようにする
屋敷に、ぶどう・柿は、成下る 屋敷に実のなるものを植えると成り下がるので縁起が悪い
親の意見と茄子の花には、千に一つのあだもない 茄子が花をつければ必ず実がなる。親の意見と同じで間違いはない
実るほど頭の下がる稲穂かな 稲の穂は、実を熟するにつれ穂先をさげる。優れた人物ほど頭が低く、謙虚だと言うこと
夕焼けに鎌を研げ 夕焼けになれば翌日は晴れるから、外で仕事が出来る。だから今のうちに鎌を研いで明日の準備をしておけと言うこと
木もと竹うら 木は根元から、竹は先のほうから割ると容易に割れる。物事にはやり易い方法や順序がある
八十八夜の別れ霜 立春から数えて八十八日目に当たる八十八夜に降りる霜のこと。この頃の霜が最後になり、以後天候が安定する。種蒔きの時期として、重要な節目になっている
蒔かぬ種は生えぬ 種を蒔かなければ何も生えて来ない。原因を作らなければ結果は生じない
使っている鍬は光る 毎日使っている鍬は、ぴかぴかに光っている。同様に、日ごろ努力している人間は、それが自然に表に現れ輝いて見えるものだ
竹を切る時期はニッパチ 竹を切るのに適しているのは2月、8月である