新型コロナウイルス感染症の蔓延にともなって生じている感染者や家族、医療従事者等への差別・人権侵害に関連して、奈良県人権擁護委員連合会から、次のようなメッセージが発信されていますので、ご紹介します。

 


 

奈良県民のみなさまへ

ストップ!コロナ差別~人にやさしいまちづくりを進めよう~ 

 「新型肺炎 国内初の患者」とメディアで報じられたのは、2020(令和2)年1月16日のことでした。その後、国内外で新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、いまだ収束の気配がありません。亡くなられた方々には心からご冥福をお祈りいたします。また、療養中の皆様にはお見舞いを申し上げますとともに、医療関係従事者やコロナ感染防止対策に取り組まれている方々の献身的な努力に心より感謝申し上げます。
過去、人類は感染症に出会うたびに、多くの人の命が失われ、感染した人々やその家族への差別・偏見と排除が繰り返されてきた歴史を有しています。今般の新型コロナウイルス感染についても、感染経路はさまざまで、感染の可能性は誰にでもあります。ゆえに誰もが「不安」や「怖れ」を持つことはやむなきことと思われます。
感染者やその家族、医療従事者をはじめ感染リスクの高い職業の方への差別・偏見や排除、感染した子どもへのいじめ、SNSをはじめインターネット上で個人への誹謗中傷・差別的書き込み等が各地で起こっています。こうした人権を傷つける行為は決して許されるものではありません。私たちは、感染者が早期治癒され普段の生活を取り戻されるよう願っています。
感染症がもたらす怖さは、見えないもの・分からないものからくる「病気への不安」、その「不安・怖れ」が「差別」「偏見」を生み、人と人との信頼関係や社会のつながりが壊れることです。「恐れるべきは、人でなくウイルス」です。
これからも、私たちは新型コロナウイルス感染症とともに生きていかなければなりません。病気になっても安心して治療を受けることのできる医療体制の充実が一層求められます。
そしていま、私たちに求められているのは「正しく恐れるための知識」(確かな情報)であり、地域社会において分断・排除を許さず、「いのちと人権」を守り合う相互理解と共感・共生の“まちづくり”です。
私たち奈良県人権擁護委員連合会は奈良地方法務局と共に、新型コロナウイルス感染症によって引き起こされている様々な苦悩や不安を受け止め、あらゆる差別・人権侵害や排除をなくすために、人権相談事業や人権啓発に積極的に取り組みます。
また、自粛生活や休業による失職等、生活不安や精神的ストレスの蓄積を要因とする自死、家庭内でのドメスティック・バイオレンス(DV)、児童虐待が増加傾向にあることが指摘されています。そうした課題にも私たちは真正面から向き合います。困った時には、どうか法務局及び私たち人権擁護委員に相談をしてください。
人権を侵害する行為は、感染拡大を防ぎ社会経済活動を維持していく上で大きな障害となります。県民一人ひとりが助け合い、認め合い、支え合って信頼関係を築き、希望をもって歩むことが、新型コロナウイルス感染症を克服する道となると確信します。
県民の皆さん、共に歩みましょう! 

2020(令和2)年11月1日
奈良県人権擁護委員連合会