シルバー人材センターの配分金や内職収入の取り扱いについて
シルバー人材センターの配分金や内職収入は、所得税法上「雑所得」として扱われるため、他の所得と合わせて確定申告又は市・県民税申告が必要となる場合があります。
雑所得の金額は、原則として収入を得るために支出した金額(交通費や材料費等)が必要経費となりますが、この金額が55万円未満の場合、租税特別措置法第27条(家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例)の適用により55万円を上限として経費を差し引くことができます。
ただし、この控除を適用できない場合がありますので、下記計算例を御確認ください。
計算例
(1)配分金又は内職収入のみの場合(給与や事業・他の雑所得「公的年金を除く」がない場合)
- 配分金又は内職収入が80万円(実際の経費が2万円)のとき
実際の経費2万円<特例による経費55万円のため、雑所得は80万円-55万円=25万円となります。 - (注意) 配分金又は内職収入が55万円未満の場合は、特例による経費は収入額が限度となります。
(2)配分金又は内職収入のほかに給与収入がある場合
- 給与収入40万円で、配分金又は内職収入が60万円(実際の経費が3万円)のとき
特例による経費は55万円-40万円=15万円
実際の経費3万円<特例による経費15万円のため、雑所得は60万円-15万円=45万円となります。
(注意)給与収入が55万円以上の場合は、特例による経費は使えません。
(3)配分金又は内職収入のほかに事業収入(営業や農業など)がある場合
- 農業収入60万円(農業経費40万円)で、配分金又は内職収入が50万円(実際の経費が3万円)のとき
特例による経費は55万円-40万円=15万円
実際の経費3万円<特例による経費15万円のため、雑所得は50万円-15万円=35万円となります。
(注意) 事業収入の経費が55万円以上の場合は特例による経費は使えないため、実際の経費を使って雑所得を計算します。
(4)配分金又は内職収入のほかに生命保険契約に基づく個人年金収入がある場合(公的年金を除く)
- 個人年金収入100万円(経費70万円)で、配分金又は内職収入が40万円(実際の経費が3万円)のとき
個人年金に係る経費(70万円)が55万円を超えるため、特例は適用されません。 - 雑所得は(100万円-70万円)+(40万円-3万円)=67万円となります。
注意点
- 公的年金の収入金額が400万円以下でも、他の所得が20万円を超える場合は確定申告が必要です。
(注意)所得税の確定申告が不要な場合でも、公的年金等に係る雑所得以外の所得がある場合は、金額にかかわらず、市・県民税の申告は必要です。 - 申告の際は、報酬等の支払先から受け取った「支払調書」の原本を必ずご持参ください。
- 上記特例を用いることなく実際の経費を基に所得を算出する場合は、経費の領収書が必要となります。
- シルバー人材センターの配分金や内職収入のほか、原稿料・作曲料・講演料なども雑所得に該当します。
この記事に関するお問い合わせ先
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更新日:2024年10月24日