第23回特別展「古墳時代の葛城に馬がいたー葛城と大和・河内の馬と牧―」

更新日:2022年11月28日

第23回特別展

会期

2022年10月15日(土曜日)から11月27日(日曜日)

2022年11月19日(土曜日)、20日(日曜日)は「関西文化の日」につき、無料でご入館いただけます。

休館日

毎週火曜日、第2・第4水曜日

観覧料

一般 200円(160円)
高校生・大学生 100円(80円)
小・中学生 50円(40円)

()内は20名以上の団体料金

特別展連続講座

下記のとおり、連続講座を開催いたします。
 参加をご希望の方は、受付開始日以降に、必ずお申し込みください。
(注意)事前申込みのない方の、当日参加はできません。

10月の講座

申込み受付開始日
2022年10月1日(土曜日)午前9時から(電話・メールとも)

電話:0745(64)1414

「河内の牧の中の蔀屋北遺跡―復元された古墳時代の馬―」
日時:2022年10月22日(土曜日)午後2時から
講師:宮崎泰史さん(元大阪府立狭山池博物館学芸員)

「古墳時代の葛城に馬がいた」
日時:2022年10月29日(土曜日)午後2時から
講師:千賀久(当館特任館長)

11月の講座

申込み受付開始日
2022年10月31日(月曜日)午前9時から(電話・メールとも)

電話:0745(64)1414

「ウマから派生する諸問題―古墳時代の南郷遺跡群のウマを起点に、「塩鉄木馬論」の提唱―」
日時:2022年11月12日(土曜日)午後2時から
講師:青柳泰介さん(奈良県立橿原考古学研究所附属博物館学芸係長)

「河内の馬飼集団―馬の祭祀と医療―」
日時:2022年11月19日(土曜日)午後2時から
講師:野島稔さん(四條畷市立歴史民俗資料館館長)

「馬の牧と馬具工房」
日時:2022年11月26日(土曜日)午後2時から
講師:千賀久(当館特任館長)


定員:いずれも200名(人数制限が緩和されました)

会場:歴史博物館2階「あかねホール」

入場:無料

備考:新型コロナウィルス感染拡大防止のための措置に、ご協力ください。
状況によっては、講演会の開催を中止する場合がございます。あらかじめご了承ください。

開催にあたって

古墳時代中期(5世紀ごろ)の葛城地域には、朝鮮半島からやってきた渡来人が多く定住していました。彼らによって伝えられた新しい文化のひとつに、馬文化があります。

奈良盆地のなかでも、馬の歯・骨と馬に乗るときの馬具がみつかっています。そして、馬をモデルにした埴輪が、古墳に立てられるようになります。

その頃の河内平野では、大阪府四條畷市の周辺で、馬を飼育する規模の大きな牧、「河内の牧」が営まれていました。

牧のくらしについて、馬とのつきあい方に注目すると、上手に馬を利用していたというだけではなかったと思います。馬飼いの里では、可愛らしく表現した子馬の埴輪を作っていました。亡くなった馬を丁寧に埋葬した馬の墓も、みつかっています。

このように、馬とのいい関係が続いていたから、絵馬のかたちで、馬文化が今につながったのだと思います。

今回の特別展では、葛城地域と奈良県内の馬に関わる資料と、「河内の牧」の出土品を同時に展示します。馬文化が受け入れられて、当時の社会にどのような変革をもたらしたのか、考えたいと思います。

おもな展示資料

  • 御所市 南郷大東遺跡、名柄遺跡 馬歯、共伴土器など
  • 葛城市 屋敷山古墳 馬埴輪の脚部
  • 香芝市 下田東遺跡 木製鞍など
  • 天理市 荒蒔古墳 飾り馬埴輪、裸馬埴輪など
  • 四條畷市 蔀屋北遺跡 朝鮮半島系土器など
  • 四條畷市内の遺跡 子馬形埴輪、祭祀遺跡の出土品など

主役からひとこと

  • この秋の主役、子馬(四條畷市教育委員会蔵 子馬形埴輪)からひとことです。

「ぼくは、河内で生まれました。土の中で寝ているところを見つけてもらいました。この秋には、葛城の博物館に行きます。ぼくを、見にきてください。」

  • 四條畷市立歴史民俗資料館長・野島稔さんのコメントです。

「やや横向きに出土した様子はなんとも可愛らしく、温かさに包まれたこの日に撮影した1枚です」

企画のきっかけ

馬形埴輪(屋敷山古墳)

屋敷山古墳の馬形埴輪(当館蔵)

この埴輪は、馬の片足です。
よく見ると、蹄(ひづめ)の形とその上の突起など、丁寧に表現されていて、日本一リアルな馬の埴輪と言えると思います。

葛城市屋敷山古墳で、市内在住の方が、50年ほど前に拾われたとわかったのは、昨年の秋のことです。

この古墳は、葛城山麓にある前方後円墳で、葛城地域を治めていた首長の墓です。
出土古墳がわかったことで、この埴輪のモデルは、首長の愛馬で、自ら経営する葛城の牧(金剛山麓の南郷地域)で育てられたのだろう、と話がつながるようになりました。

これが、今回の特別展を企画したきっかけです。