置恩寺の薬師お会式

更新日:2021年03月01日

置恩寺の薬師お会式(置恩寺) 4月下旬の日曜日

午後1時から本堂にて當麻寺の僧侶らと村民による法会が営まれます。力強い読経が唱えられるなか、一斉に転読(てんどく)が繰り広げられるさまは大変興味深いものです。以前は4月23日に催行されていましたが、現在ではその日の直前の日曜日に催行されています。
午後2時には前日から丸一日かけて用意された一石ほどのお餅が一斉にまかれます。また、この日には特別に重要文化財の十一面観音像も開帳されます。お会式が終われば初夏、農作業が本格的に忙しくなる季節となるため、農村の生活の節目が一つの行事の形をとって今に残る、素朴なお祭りとなっています。

置恩寺にて、砂利の敷かれている奥に石灯籠や石碑とともに社殿がある写真
  • ちおんじ
  • 住所:葛城市寺口706-1
  • 本尊:薬師如来坐像
  • 正式には医王山・布施山安養院置恩寺と号し、高野山真言宗。寺伝には行基の開基とあるが、中世には布施寺とも称されたように、布施氏の氏寺として、栄枯盛衰を共にした。

4月23日、葛城市寺口の置恩寺で、薬師お会式が行われました。

古くから続くこの会式を、土地の人たちは「山登り」と言い、かつては遠方の親族も帰郷し、裏山(薬師山)の三宝池まで登り、そこでごちそうを食べたり歌をうたったり、たいそうにぎやかだったそうです。當麻の「岳のぼり」と同じく、春事(春の行事)として欠かせないものだったようです。が、昭和40年代ごろからこの風習もなくなり、今は家庭でごちそうを食べるようになったとか。

置恩寺のご本尊の薬師如来坐像の斜め正面からの写真

ご本尊の薬師如来坐像

仏具の並ぶ中、僧侶により転読が行われている様子の写真

僧侶による転読(てんどく)

並んで畳に座している人々が書物を手に取り転読を行っている様子の写真

各種団体の役員も一斉に転読を行う

社殿にて僧侶も御供まきに参加している様子を社殿から収めた写真

僧侶も御供まきに参加

境内の砂利の上にて沢山の人々が御供まきに参加している様子の写真

せまい境内が村の人でいっぱいに

緑に覆われた薬師山を裾野から望む写真

後ろに見えるのが薬師山

午後2時、前日から丸一日かけて用意された一石ほどのお餅が一斉にまかれ、わずか5分ほどでなくなってしまいました。この日は特別に重要文化財の十一面観音像も開帳され、村の人たちは順に拝んで帰っていきました。お会式が終われば初夏、農作業が本格的に忙しくなる季節となります。農村の生活の節目が一つの行事の形をとって今に残る、素朴なお祭りを楽しませてもらいました。

左に重心を寄せた姿勢をとっている、十一面観音立像の写真

十一面観音立像:檜一木造り。眉のわん曲が大きく、鼻筋が細く、微笑をたたえた顔立ちが優しく上品です。重心を少し左足にのせ、右足の力をぬいて立つプロポーションは、均整がとれた美しいものです。11世紀初め~中ごろに作られたものと推定されています。国指定重要文化財。

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