薑・閻魔堂の地蔵盆

- 薑(はじかみ)・閻魔堂(えんまどう)
- 葛城市薑139番地
- 石の地蔵尊を安置しており、堂内部に地獄絵・極楽絵図が描かれている。地蔵と壁画の由来ははっきりしないが、地元の婦人が60~70年前に嫁入りした当時には、すでに「閻魔堂さん」と呼ばれていたそうだ。現在の建物と壁画は平成元年12月に改修されたもの。
- 8月24日、葛城市薑で、地蔵盆が行われました。薑の「閻魔堂」の地蔵尊は、嫁入りを嫌う、珍しいお地蔵さんとして知られています。昔から嫁入りなどのお祝い事があるときには、風呂敷などの大きな布でこの閻魔堂を隠す風習があるそうです。が、地蔵堂の時代や由来については、詳しいことを知るよすがはありません。
「お地蔵さんがお嫁さんを嫉妬するから」とか、「地蔵堂の中の恐ろしい地獄絵図は、幸せなお嫁さんに見せるもんやないから」など、地元の解釈にも諸説あるようです。 - 「改修前の絵図はもっと怖い絵でしたで」と、安川典子さん(大正4年生まれ)。「罪人が鬼に舌を抜かれてるとこやら…。子どもの頃、ウソついたらあんなふうに舌を抜かれるねんで、とか言われたもんです」。
かつては、お嫁さんや子ども達をふるえ上がらせたお地蔵さんですが、現在もなお在郷の住民の篤い信仰を集め、静かに村の安全を守り続けておられます。

地蔵尊を中央に安置する。西面壁画に左・地蔵菩薩、右・閻魔明王の絵図が描かれている

南面壁画。かなり恐ろし~い地獄絵図が…

午後6時過ぎ、一斉に般若心経が唱えられる

ざっと、90余名がすずなりに。在郷の人々がほとんど集まった感じ

場所を春日神社にうつして、再び心経を斉唱する。祠に祀られるのは子安地蔵だとか

境内の老ムクの木。木の根元に子育地蔵を祀る

- 嫁入りを嫌う地蔵さん
嫁入りの行列はこの前を通るとご機嫌が悪いというので、地蔵堂の背後をまわって行くことになっていた。今は交通がはげしくなったので、一反風呂敷又は幕を地蔵堂にかぶせて通ることにしている。後側の腰板に地獄極楽の絵が描かれている。針の山を渡るところや地獄界の釜の中で人がたかれている場面などがある。会式は八月二十四日である。
『新庄町史』(昭和42年)より
この記事に関するお問い合わせ先
産業観光部 商工観光プロモーション課
奈良県葛城市柿本166番地
電話番号:0745-44-5111
ファクス番号:0745-44-5008
メールフォームによるお問い合わせ
更新日:2021年03月01日