今倉のドウロクさん

更新日:2021年03月01日

葛城市の太田にあるドウロクさんと呼ばれる祠の写真
  • いまくらのどうろくさん
  • 鎮座地:葛城市太田
  • 太田の北部に今倉とよばれる集落があり、この集落の東側に小さな祠がある。この地域の人々によって祀られている「道陸さん」である。南隣には四段の立派な宮立形の、太神宮の石灯籠が建つ。「文政元年(1820)戌寅年六月吉日」とある。

7月28日夕方、道陸さんのお祭りが行われました。閑静な今倉の村の入り口にあって、通りすがりのものは気がつかないほど、ひっそりと佇む小さな祠ですが、この日と10月28日の年2回だけは、お供えや提灯で飾られ、存在感をアピールします。中には丸い自然石が、ご神体として祀られており、村を疫病や災害から守ってくれる守り神なのだそうです。

「私が子ども時分から、もうこうやってお祀りしてましたもんなあ」と、西川清治さん(昭和8年生まれ)は言います。「親から聞いた話では、むかし大水が出た時に、この西の庵寺のところまで流れてきた石を、ここに運んでお祀りしたらしいです」。
昭和20年代の末ごろに、一度祭りをやめたことがあったそうですが、村中に病人やけが人がでたことから、再び祭祀を続けて今に至るということです。「ドウロクさん」の愛称で親しまれている神さまは、一般に道陸神または道祖神のことを言います。村中の安全を祈って、道祖神のお祭りが営まれる例は、葛城市ではここ今倉の里だけのようです。

御神酒や供え物が並べている祠の写真

提灯とお供えで飾って

提灯を竿に取り付けている男性2人の写真

7時過ぎ、十二振りの準備をする

12個の提灯を三角形になるように取り付けた竿燈を祠の前に固定する作業の写真

暮れ始めた空に提灯の灯が映えて

祠の前に敷かれた茣蓙に座っている村の人たちの写真

7時半、村の人たちが集まり出した

各々が祝詞や般若心経が書かれている紙を持ち、それを読み上げている時の村の人たちの写真

女性による祝詞と般若心経があげられる

土間に茣蓙を敷いて車座になって談笑する村の人たちの写真

行事が済むと、お下がりのお神酒をいただきながら歓談を楽しむ

今倉にはもうひとつ、「黒仏さん」の伝説が伝わっています。くだんの庵寺に納められている仏様で、むかし長い日照りが続いたことがあって、村のものたちがその仏様に白いきれを巻いて外へ担ぎ出し、村中を練り歩いたそうです。すると、何日かして不思議なことに恵みの雨が降ったのだとか。
庵寺は今、無人の寺になっていますが、住民が交代で黒仏さんを給仕しているということです。

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