棚機神社の七夕祭り
- たなばたじんじゃ
- 鎮座地:葛城市太田1371番地
- 祭神:(言い伝えによると)天棚機姫神
- 葛城市太田小字七夕の中央北よりに鎮座し、糸の神様として古くから一部の近在の人に、細々と崇拝されてきた。「タナバタサン」と呼ばれる古い祠が祀られる。
葛城市太田から山手の伏越(ふしごえ)方面へ上がって行くと、「棚機の森」と呼ばれるところがあります。言い伝えによると、昔、この場所に葛木倭文坐天羽雷命神社があったと言われており、現在は木立の中に棚機神社と呼ばれる石の祠が置かれ、織物の神様である天棚機姫神が祀られているそうです。
7月7日、この棚機神社において「七夕祭り」がささやかに営まれました。普段は訪れる人もなく、岩橋山を背に、大和平野を見下ろす傾斜地に静かに鎮座する神社ですが、この日は笹飾りで華やかに彩られました。
「棚機宮」と記された鳥居は平成13年、旧當麻町により建てられたもの。右方の小丘は古墳と伝えられる
小さな手作りの鳥居が置かれたのはいつの頃か
大和高田バイパスの開通に伴って景観は大きく変化。大和平野が一望にできる
近在の人に昔から「タナバタサン」として祀られてきた古い石祠
午後5時過ぎ、保存会の方々が集まり、祭祀が営まれた
さて、小さな参拝者の願い事は?
「タナバタサン」の地は近年の区画整理事業の中でも、旧来のまま取り残されていましたが、周辺の田畑を耕作している人々を中心に保存の声が高まり、有志による保存会が結成され、平成4年に棚機神社として祭祀が復活しました。さらに平成13年、本格的な村おこしを願って大きなイベントが行われましたが、子ども達が少なくなった現状やお参りのための交通の便が悪いなどの理由から、少しずつ忘れられた存在になりつつあるようです。それでも、保存会の人たちの手で常に境内はきれいに掃き清められています。祭祀を終え、静寂のなかにたたずむ棚機の森には、ウグイスの声だけが鳴り響いていました。
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更新日:2021年03月01日