葛城市の農産物のご紹介(第6回: 椎茸)

更新日:2026年01月29日

しいたけ写真

ご存知ですか?

葛城市の農業生産額は県内39市町村の中で第6位、中でも野菜の生産額は県内第4位です!

 

(参考)
1位 五條市 326
2位 天理市 119
3位 宇陀市 111
4位 葛城市 67
5位 田原本町 58


表出典: 令和5年市町村別農業産出額(単位: 1,000万円)

日々の生活を支え、葛城市にとって欠かせない産業でもある「農業」をもっと身近に。

 

そんな思いから、数か月にわたり葛城市の農産品をご紹介しています。第6回でご紹介するのは「椎茸」です。 市内で新たに就農された椎茸農家さんにお話を聞きました。

 

なお、本インタビューは令和8年広報かつらぎ2月号にも掲載されています。

就農するまで

――椎茸農家になるきっかけはありますか?

きっかけは休みの日に大阪の高槻市にある「高槻しいたけセンター」に行った時に、そこで働いている方と1時間ほど話したことです。その頃は「将来をどうしようか」と考えていた時期だったこともあり、その方の話がおもしろく、こういった人生もあるんだと思いました。

それから1,2年程は会社員として働きながら、退勤後に椎茸農家になるための資料を少しずつ集めていました。もし農家になるなら椎茸しかないと考えていました

 

――就農された時期はいつですか?

令和6年の3月からです。就農する前は借りた農地の草刈りを2人で朝から晩までしていました。近所の方からすると不思議に思われていたと思います。

 

――勉強や研修はどうしましたか?

仕事しながらだったので、休みの日や週末に少しずつ勉強していました。農業学校などで勉強しようと思いましたが、カリキュラムがありませんでした。菌床のメーカーに連絡をとって、担当の方に栽培方法を具体的に聞いたりしました。その時に三重県で夫婦2人でされている椎茸農家さんを紹介してもらい、研修に行きました。他にもコンテナで菌床栽培されている農家さんにネットを通じて見学にいかせてもらうこともありました。数件訪問しましたが、やり方がそれぞれ違いましたが、参考にしました。

 

――葛城市で就農する決め手はありましたか?

まず近畿地方がイメージに合っていました。大阪で考えていましたが、農地が無いこともあり、実家から車で行ける範囲で行きやすかった葛城市に決めました。農業をするにあたって販路は大事だと分かっていたので、葛城市なら道の駅も近くにあり、大阪も近いので出荷しやすいことも決め手になりました。

葛城市にドライブで来たその帰りに奈良盆地が綺麗に見えた時に、「こんな場所で農業できたらいいな」と思っていました。

 

――農地はどのように見つけましたか?

農地中間管理機構に登録はしましたが、待つだけではいつになるか分からないことや、もし候補地が見つかっても思うような場所ではないことあるので、自分たちで農地を探しました。

奈良県の職員さん、葛城市の職員さんと農地を探している時に、ある農地を見つけました。偶然見つけた時に地元の方がこの農地の地主さん知ってるから紹介すると言ってくれました。そのままの流れで地主さんとお会いすることができ、一番懸念していた農地探しに関してこのようなご縁もあり見つけることができました。

就農してから

――就農して苦労したことはありますか?

はじめた頃は手に負えないぐらい椎茸が大量に発生してしまい、思い描くようなものができなかったです。収穫量が多くて良いのでは?と思うかもしれませんが、理想の形ではなく、一気に爆発したようなものになってしまいました。上面菌床は上面だけが剥き出しになっており、下は水でみたされた袋に覆われています。大量発生した時は袋が破れそうになっていました。1枚ずつ剥がして、品質がよくないものは1つずつ削ぎ落して、再度袋を被せるという作業を深夜までやったことが一番大変でした。

 

――今もそういったことはありますか?

研修先の方にアドバイスをいただいたり、メーカーさんに来てもらって改善しました。就農後も他の農家さんのところに行って勉強しましたが、環境やハウスの構造も違うのでこうすれば完璧という方法はありませんでした。今でもずっと試行錯誤の繰り返しです。自分たちの合っているやり方を考え、少しずつやり方を変えて理想的なものを目指しています。やはり、重要なのは気温と湿度を随時確認し管理することです。

しいたけ写真

ハウス内の様子

光芒ファームについて

――名前の由来はなんですか?

農地を探していた時に、たまたま奈良盆地に雲から光が射していました。その光の筋を光芒といい、それがすごい綺麗でした。はしもとファームだと既に使っている方がいそうだったので、その光芒と工場としての工房の意味も合わせて、独自性もあって、意味としても良く、言いやすかったので「光芒ファーム」という名前にしました。

 

――品質の良し悪しや出荷時のこだわりはありますか?

一般に肉厚で傘が巻いていて、程よく乾いてもなく湿ってもいないものが良いと思います。しかし、棚の下にあるものは採り忘れたりなどして、傘が開いてしまったり、黒くなってしまいます。そういったものはあまり良くないです。そうならないために、環境を整え、美味しく食べられるものだけを出荷しています。選別は厳しくやっているので、味には問題がなくても、見た目が悪いものは商品にしていません。スーパーに置いてあるものと差別化したいこともあり、価格帯は高めに設定していますが、その分厳選して、妥協せず出荷しています。

 

――販売する時に決まりなどはありますか?

あります。椎茸を販売する決まりとして、その椎茸の種がどこで植えられたのかというのを表記しないといけません。うちのものだと三重県の菌床センターで作られたものを仕入れているので、植菌地は三重県で、収穫地は葛城市ということになります。植菌地を見てもらえば国産のものかどうか見分けることができます。

平成20年代に中国から安価な椎茸が輸入され、価格が暴落しました。その時は植菌地が中国でも収穫が奈良県なら奈良県産と表記しても良かったです。その影響もあり、表記方法が変わりました。

しいたけ栽培

菌床栽培の様子

椎茸の生産について

――椎茸栽培について教えてもらえますか?

北研905号という品種を栽培しています。今年は約3,000菌床ほど育てています。椎茸は気温が高すぎても低すぎても良くないです。人によりますが、おおよそ13℃から23℃の温度帯にする必要があります。心がけることとして、昼と夜で寒暖差をつけています。寒暖差がある方が品質が良くなります。ハウス内にエアコンがありますが、中が一年中一定の温度というわけではありません。外の環境を活かしながら、温度設定しています。例えばシャッターを開閉し換気したり、時には散水しています。これは毎日の天候と相談しながらになるので、退勤する時はいつも翌日の最低気温を確認しています。

うどん屋さんがその日の気温や湿度によってうどん作りの水の分量を変えるのと同じ感じですね。

 

――気温の変化にはどう対応していますか?

管理する中で、季節の変わり目が特に大変です。毎日外の気温によってハウス内の温度や湿度を調整していますが、ゴールデンウイークあたりから急に気温が上がったり、10月頃だと急に気温が下がったりします。その時は調整が難しく、どちらかというと冬の方が難しいです。油断していると椎茸にとって厳しい環境になってしまいます。梅雨の時期だと湿度がなかなか下がらないので、換気しても水分を吸収してしまいます。そうすると椎茸の色が少し黒っぽくなってしまいます。その時は散水の量を変えたりします。その時に適したことを随時やっていくことが大事です

 

――農業の魅力は何ですか?

はじめは思うようにいきませんでしたが、湿度や散水を工夫すると、変化として表れる作物なので、手をかければその分反応することが魅力だと思います。試行錯誤すればその分良いものができる仕事なので、難しいですが面白味があってやりがいもあります!ある程度の技術的な基礎基本はありますが、条件がいつも変わるので決まりがありません。

また、自営業なので毎日働き、休みはありませんが、毎日働いて毎日休んでいるような感覚です。一日の中でたくさん働く日もあれば、休める日もあるので、決めたスケジュールで動くので自分たちでメリハリを作れて、自由に動けることも魅力です。

 

――一度の収穫でどのくらいの物量を収穫できますか?

10kgから20kgあたりです。10kgで50パック、20kgで100パックになります。日によってはまったく採れない日もあります。約3,000菌床育てているので、その中でブロック分けしています。毎日同じ量を収穫するのが理想ですが、自然相手なので難しいです。ハウスが1つしかないので、同じ空間で休める菌床と生やしたい菌床を別々の関係にできません。そのため温度の調整が難しので、生やしたい菌床には散水をしています。商品はお客さんの好みに合わせて、大中小と三種類に分けているので、大きさが違うものを毎日収穫できるようにするのが理想です。

しいたけ写真

 

――おすすめの食べ方はありますか?

焼くのはもちろん、天ぷらにフライもおすすめです。下味なしでシンプルに衣をつけて素材の味を活かせて美味しいです。

夏には椎茸のたたきがおすすめです。一度普通に焼いた後、冷蔵庫で冷やしてからスライスします。後はネギやみょうが、マヨネーズなどの薬味を散らして醤油をかけて食べます。

一度焼いて冷やしているので表面がつるっとして舌触りが良く、おつまみとしても良いと思います。あと、とてもヘルシーです。

しいたけたたき

入手するには

――光芒ファームの椎茸はどこで入手できますか?

インスタグラムのメッセージや公式ホームページから購入することができます。事前に連絡いただければ、ハウス内で直売もしております。「道の駅かつらぎ」や「道の駅飛鳥」、「まほろばキッチン」でも購入することができます。また、ふるさと納税の返礼品として入手することもできます。

すべての商品に光芒ファームのシールを貼っています。

今後収穫量を増やして、販売先を拡大し、できるだけ多くの方に食べてもらいたいです。

 

――シールやポップは手作りですか?

二上山を背景に描いたロゴを作成しました。これをすべての商品に貼っています。認知してほしいので分かりやすいようにしています。光芒ファームの認知をしていない人でも、ラベルを見て「あのマーク」と思ってもらえたらいいなと思います。

しいたけPOP

手作りのポップも目印

取材協力

橋本夫妻写真

はしもと夫婦

お互いに得意不得意を理解しているので、2人で役割分担しながら仕事を進めています。

たくやさん

エアコンの調整といった数値面の管理をして、どのように調整したかをまなみさんに共有しています。

まなみさん

数値面を任している分、光芒ファームのラベルを作成したり、パソコンで手作りのポップを作成しています。

他にもたくやさんが配送している間にまなみさんが椎茸の収穫を行い、パック詰めをしています。たくやさんが戻り次第、2人でパック詰めやまだ椎茸がある場合は収穫作業も2人でしています。

しいたけ収穫

作業の様子

今後の抱負

――今後の抱負はありますか?

葛城市で椎茸といえば「光芒ファーム」と市民の方に言ってもらえるような存在になりたいです。また、長く続けたいので、健康と向き合いながら、仕事とプライベートのバランスを考えてこれからも無理なく続けたいと思います。

結び

  • 葛城市で新規就農された椎茸専業農家
  • 妥協を許さない選別された椎茸を販売

 

インタビューを通じて椎茸の魅力が見えてきました。そんな葛城市で作られた椎茸の魅力を少しでもお伝えできたでしょうか?

また、今後もホームページにて葛城市の農産物をご紹介します。

以下のページも併せてご覧ください!

(→特産農産物のページへの内部リンク