第9回特別展「輝く美のせん仏」

更新日:2021年03月01日

第9回特別展「輝く美のせん仏」のチラシ

会期:2008年10月4日(土曜日)から11月24日(月曜日・祝日)
会場:歴史博物館特別展示室
関連行事

特別展記念講演会全2回をおこないました。

開催にあたって

平成16年、御所市において二光寺廃寺の発掘調査がおこなわれました。その際出土した、仏の姿を粘土板上に浮き上がらせたせん仏の数々は、良好な保存状態をたもっており、その美しさで世間の耳目を集めました。

二光寺廃寺の例に限らず、葛城地域はせん仏の出土する古代寺院が数多く分布しています。葛城市においても当麻寺、石光寺、只塚廃寺、加守廃寺といった古代寺院から、同様のものが出土していることは、実はあまり知られていないのではないでしょうか。

今回の展示会では、これら市内出土のせん仏の紹介にとどまらず、奈良県内外で出土しているせん仏のうち、優品を集めて展示をおこないます。

展示会タイトルは「輝く美のせん仏」としました。せん仏の美しさは、展示資料を見ていただければ十分おわかりになると思います。また、冒頭に「輝く」としたのには二つの意味があります。せん仏の多くは、本来金箔が貼られ金色に輝いていました。まずはその部分を暗示したいと思いました。次に、せん仏が使用された白鳳時代に思いを馳せた時、当時の人々が祈りの対象としてのみならず、大陸風の先端装飾品としてなど、さまざまな感慨をもって見つめいていたであろうということが想像されました。ただ見た目が金色に輝くという意味だけでなく、いろいろな意味で輝いていたのではないか、そういった想像も含めてこの「輝く」という言葉をいれてみました。

皆様の目の前にあるせん仏は、金色の輝きを失ってはいます。しかし、時代を超えて心の中での輝きを感じていただければ幸いです。

(注意)表示の都合上「せん仏」とかな表記しています。実際の展示会では、漢字表記をしています。

展示構成

  1. せん仏の世界
  2. 二光寺廃寺
  3. 葛城のせん仏
  4. せん仏の源流

主な展示品

  • 夏見廃寺 せん仏一式 (名張市教育委員会)
  • 川原寺裏山遺跡 方形三尊せん仏 (明日香村教育委員会)
  • 二光寺廃寺 せん仏一式 (奈良県立橿原考古学研究所)
  • 只塚廃寺 方形十二尊連坐せん仏 (奈良県立橿原考古学研究所附属博物館)

ほか

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歴史博物館
奈良県葛城市忍海250番地1
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