葛城市水道事業の今後の方針について

更新日:2023年01月06日

「葛城市水道事業の将来について」市民報告会について

令和4年12月25日(日曜日)に、「葛城市水道事業の将来について」市民報告会を當麻文化会館ホールで開催いたしました。

市民報告会資料(PDFファイル:877.8KB)

葛城市の水道事業は、奈良県広域水道企業団には参加せず、単独経営を継続するという選択をしました。

令和4年12月16日開催の「県域水道一体化調査特別委員会」で、次のように市長が方針を表明しました。

葛城市が県域水道一体化に参加すべきかの方針について、これまで様々な角度から検討させていただいた結果、奈良県広域水道企業団には参加せずに、単独経営を継続させていただくことといたしました。
葛城市の水道事業は、新庄町、當麻町の水道事業の創設当初の時代から、取水地域のご協力を得て、ため池を水源として利用してきた歴史がございます。地域の皆様方のご努力により、現在もため池が維持され続けてきた結果、県内で一番安価な水道料金で提供できており、非常に特殊な形態でもあり、葛城市の文化とも言えるものだと考えております。取水地域の皆様方に心から感謝を申し上げます。
一体化に参加した場合は、市内にある三つの浄水場は廃止されていくことになり、貴重な水源も水道水として使われなくなってしまい、私にとっても、市民にとっても、大きな喪失感を覚えるものとなります。
一方、県域水道一体化の目的である、「将来にわたって安全・安心な水道水を持続的に供給するためには、水道施設の老朽化対策を着実に推進すること」が何より大切なことだと感じております。その手法として、市町村が個別に単独で経営するのではなく、市町村の枠組みを超えて、企業団として経営するという手法は、一つの選択肢でございました。
ただし、「葛城市の文化とも言えます自己水源を残していきたいという思い」、「従来どおりに身近な場所からきめ細やかな住民サービスを今後も続けていきたいという思い」、「市に水道事業の経営権が残り、市で水道料金も含め決定することができることにより、葛城市独自のまちづくりに活かしていきたいという思い」、「一体化に参加せず、単独経営を継続した場合でも経営を続けられる可能性があること」など、様々な思いからこの判断に至りました。
単独経営を継続する道は簡単な道ではありません。克服しなければならない様々な課題があることも重々承知しております。
例えば、一体化に参加した場合においてのみ料金の値上げがされるのではなく、単独経営を続ける場合においても、管路の更新や浄水場の更新に多額の投資が必要となること、水質に対応するための処理施設を整備する必要があり、市独自で対応する必要があることから、将来的に市民の皆様に料金の値上げをお願いせざるを得ない状況にもなります。
また、将来にわたって、葛城市が単独経営を続けた場合は、企業団に参加した場合と比べ、安価な水道料金が約束されているわけではありませんが、これからの企業努力によっては、企業団参加より低料金にできる可能性があります。
葛城市は、自己水源を活用し、県内で一番安価な料金となっており、これからも自己水源を活用することで、他の自治体とは異なり、「単独経営」か「水道一体化に参加」のどちらの選択肢も可能な唯一の自治体であり、どちらを選んでも間違いではないと感じております。
そうであれば、葛城市の水道事業を存続させ、単独経営を継続することにチャレンジをしたいと考えます。
以上から、奈良県広域水道企業団には参加せず、単独経営を継続するという選択に至りましたことをご報告させていただきます。

「県域水道一体化に関する」市民説明会について

令和4年12月13日(火曜日)に「県域水道一体化に関する」市民説明会を新庄文化会館 マルベリーホールで開催いたしました。

市民説明会資料(PDFファイル:1.7MB)

 

「水道事業等の統合に関する覚書」を締結しました

令和3年1月25日に、県内の関係団体が水道事業の統合に向けて協議検討を進めるために、現時点で合意する基本事項をとりまとめ、「水道事業等の統合に関する覚書」を締結しました。

 

関係団体

奈良県、奈良市、大和高田市、天理市、橿原市、桜井市、五條市、御所市、生駒市、香芝市、葛城市、宇陀市、平群町、三郷町、斑鳩町、安堵町、川西町、三宅町、田原本町、高取町、明日香村、上牧町、王寺町、広陵町、河合町、吉野町、大淀町、下市町、奈良広域水質検査センター組合

水道事業等の統合に関する覚書締結式の写真

統合の目的

水道事業は、水需要減少に伴う給水収益の減少、水道施設の老朽化による更新費用の増大、及び熟練職員の退職等に伴う技術力の低下といった課題を抱えており、非常に厳しい経営状況にあります。水道を取り巻く経営環境が厳しくなる中において、効率的で持続可能な水道事業運営が求められています。

これらの課題に対して、単独で対応するには限界があり、水道事業を統合(県域水道一体化)することで、災害時等にも対応ができる組織体制の構築を図るほか、サービスの向上や水道料金の上昇抑制を図り、安全・安心な水道水を将来にわたって持続的に供給することを目的としています。

今後、関係団体は、基本協定の締結に向けて協議会を設置し、企業団の運営方針の協議検討を進め、基本協定締結の準備を行っていきます。企業団の事業開始は、令和7年度を目標として設立準備を進めていきます。

県域水道一体化にむけた本市の方針

覚書を締結することは水道の一体化をすると判断したことにはなりません。覚書を締結した後、基本協定までの間に賛否の最終判断の時期があります。 一方、覚書を締結しないことは、現時点で水道の一体化をしないと判断したことになります。

現在、セグメント会計の詳細が分かっていないなど、まだ不明点も多く、さらなる情報収集や協議、検討が必要となります。

そのため本市では、覚書に乗って協議を継続し、皆様のご意見もいただきながら基本協定までに県域水道一体化について判断したいと考えています。

資料